伊香保(群馬県伊香保町)・・・石段街
上毛三山のひとつ、榛名山の中腹にある湯の町・伊香保は、明治の文豪・徳富蘆花(とくとみろか)の名作『不如帰(ほととぎす)』の舞台として知られる上州の名湯である。
JR上越線渋川駅からバスで約30分。標高およそ800m。
いまでこそ大温泉地となって近代設備を誇る旅館、ホテルが広範囲に林立しているが、古くからの湯の町情緒を色濃く残しているのが"石段街"である。
伊香保は山の斜面にあるため、急な石段に沿って旅館や土産物店などがびっしりと軒を連ねる。
全長は300m。
石段街の散策は、伊香保関所のすぐ横から始まる。
昇り始めてすぐ右手に町営共同浴場の「石段の湯」があり、建物は白壁の蔵造り風。
石段街をゆっくり歩きながら思うのは、土地の人たちの"生活の知恵"が生かされているということだ。
15段ほど昇ると、いったん石段が切れる。
ひと息入れるためで、呼吸を整えたあと再び昇り始める。
下から上に着くまで、何度もこれが繰り返されている。
旅人に対する優しい思いやりがうれしい。